2011年1月10日月曜日

Message in a Bottle

著名人にサインをもらいたいと思った事はありませんでした。



元々、サインというものが何を意味するのかも分からず、漠然と

「著名人と会った記録」

みたいなものかな、と思っていました。



日本の景勝地に時々ある記念スタンプみたいな印象ですね。

最近になって理解したのですが、それって写真と同じですよね。

「その人を記録する」

そう考えると、僕がサインを欲しいと思わないのは、写真を撮るからだと思います。


8日に、昨年お世話になった知人と食事をしました。

僕が昨年末に個人的に制作したロードレースの写真集を持ってきて頂きました。

彼女はいくつかのレースやイベントで、その本に記載されている選手に、それぞれのページにサインをもらっていたので、それを見せてもらうためです。

それぞれの方のサインを見て、不思議な感慨がわきました。



以前書いたように、自分にとって、「肖像写真」というのは

「その人に向けての自分の手紙」

に等しいものです。



今、自分が向けた手紙をいろんな人が見て、それにサインをしている。



サインをもらった時の様子を、知人がいろいろ教えてくれます。



「えっ、なにこれ!めっちゃ欲しい!」


「私、ちゃんとしたサインがないんでちょっと恥ずかしいんですw」


「えっ、これどこ?どこで撮ったの?」





驚かれながらも、喜んでサインをして下さったとの事。

そうですね。それは手紙に対する返信みたいなものです。


人に気持ちを伝えるのに、様々な手段があるけど、やはり、「形」のある手段は説得力を持つし、それに長い時間にわたって残る。


知人に写真集を差し上げた時、

「サインもらおうかな?でもサイン帳じゃないから失礼ですよね?」

と彼女は言っていたのですが、今になって思うと、この写真集は、実は、サインが入った状態で完成と言えるのかもしれないですね。


様々な筆跡の返信の束をテーブルに置いて、ファインダーで見つめながら、そんな事を考えていました。

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