2012年9月21日金曜日

イェンス・フォイクトとお茶を

今の時代は「気持ちの反射」が世の中を動かしているそうだ。

人の気持が、ピンボールのようにいろんな人の気持ちを突き動かし、それは巨大な波となって地球を覆っていく。
そのピンボールは、時には独裁者を倒し、時には恐怖を拡げ、時には巨大な暴力を伝播する。

ピンボールは考える時間を与えてくれない。


そんな事を感じて少し疲れていた時、ふと、2009年のジャパンカップで見たイェンス・フォイクトを思い出した。

それまでの彼のイメージは、まさしく「漢」というもので、厳粛なイメージがあった。
(ドイツ人でもあるし(笑))

レース中の彼は、いつもツールでプロトンを破壊しようとする鬼神の表情。


Königstiger


だけど、チームプレゼンテーションの舞台に立っていた彼は、ロード選手としては逞しい骨格と、軍人のように伸びた背筋は想像通りだったけど、意外だったのは、その笑顔のナチュラルさだった。

とても自然で、飾ったところがなく、控えめだけど、とてもチャーミングな笑顔だった。

やはり彼も、僕に人の「多様性」を教えてくれた。



JENS VOIGT :Le Blanc Suprême-8





僕は彼の横顔を思い出し、その時の写真を見た。
膨大な数のモノクロを処理してきて、このとき選んだクリーミーなタンは初めて使った色だった。

なんとなくカフェオレが飲みたくなった。
単純な理由で、色がカフェオレを連想させたんだ。

この写真でタンブラーのラベルを作り、スターバックスでソイラテのエクストラショットを注文した。








ぼんやりと、タンブラーに収まった写真の彼を眺めながら、こんな言葉を思い出した。




弱い者ほど相手を許すことができない。
許すということは、強さの証だ。

マハトマ・ガンジー




ほんの少し元気になって、また仕事に出かけていった。