2010年12月18日土曜日

JOY

全日本シクロの前日、友人に誘われて、勝負所の砂丘で試走をする選手達を撮影していました。

福本千佳選手は、下りの大きく右へカーブする傾斜を、何回も丹念に試走していました。

撮影している僕を見て、僕が遭遇した事故を心配して声をかけてくれました。

「このコースだと、福本さんのように、小柄な人でもチャンスがあると聞きましたけど、どんな感じですか?」


「いやぁー(笑)。。」


微妙な表情で笑いながら首をふる福本選手。


暫く話した後、試走を再開したところ、ファンの人たちが大きな声援(いわゆる黄色い声)を送ります。

写真は、その時のもの。


彼女がいつもすごいと思うのは、将来を期待されて、成績も出し、プレッシャーも、かなりあると思うのですが、それが表からは感じられず、とにかく、全日本を翌日に控えたこの時でも、走る喜びに満ちあふれている事です。

「楽しい」


という気持ちは、忘れがちで、でも、とても重要なスキルだと思います。


決して「楽(らく)」ではないけど、「走る喜び」というものがあるなら、それは、様々な困難を乗り越える一番の原動力かもしれません。


その気持ちは、これからもずっと続くのか、あるいは、別の気持ちに昇華されるのか。


でも、どのような心持ちになるのであれ、最初の「楽しい」気持ちが鮮烈であればあるだけ、必ず訪れるであろう苦境でこそ、自分を見失わないベースになると思います。


彼女を見ていると、どのような花になるかわからない種の成長を見ているような期待感がわきます。